ケンチク

牛久大仏に見守られながら一級建築士やってます。

つくる事

今日は自宅で簡単な打合せがありました。

打合せ相手は、いつも困った時に助けてくれる、スーパーマンチームの一員です。

 

何かの縁で出会い、話していると仕事へのこだわりが感じられる。

そして、どんなに小さなことでもすぐに対応してくれる友人の中の一人です。

 

人に恵まれているからか、いつも建築はつくろうと考えます。

新しく出来る建築の為だけに、手作りのものを製作していく。

納まりもその建築に合わせて、新たに考える。

規格化とか、効率化とか現代の流れと逆をいっていますね。

それもこれも、周りにとても優秀なつくり手がたくさんいることが原因です。

 

自宅でも、大工さんがとても上手だったので、カタログを見るのをやめました。

カタログから探すよりも、自宅にあった形を模索した方が良いと考えて、色々図面と模型を作成しました。

勤めている時期だったので、ブラックにブラックの上塗り状態で、死ぬかと思いました。。。

 

結果、出来たものには満足していますが、もっと良くなるなという感触を残し、次回はもっと良いものをつくろうと考えています。

 

常にその時のベストを作れれば、いつかは規格化出来るのかなとも思いますが、結局規格化することはないんだろうなと諦めています。

だって、優秀なつくり手達がいたら、どんどん上を求めてしまうから。。。

(いい環境だけど、楽できない環境だな。。。)

 

そんなわけで、今日自宅を改めて見返して、試作品的な部分を紹介します。

これは誰でもとっても簡単に作れる、いいか悪いかはその人次第の鍵です。

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トイレの鍵

鍵をつくりたくなって、お金が掛からずに簡単に作れる方法を考えたらこうなりました。

アクリル棒を閂のように使っている為、明かりとりの役目もあり、非常時も外から指で開けられます。

(よく、妻は許してくれたな。。。)

 

で、ついでに以前紹介したトップライトの写真第二弾です。

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トップライト

ある時間になると、光に色がつくように細工をしています。

今回は青をテーマにまとめていたので、光が青くなります。

 

そして、ここまで文章を書いて、本当に書こうとしていた事を思い出しました。。。

近々その内容は書こうと思います。

 

なんだかんだで、これからも色々とつくり続けていきます。

目標は誰でも「簡単に」つくれるカッコよくて機能的なもの!

(自宅では難しい納まりが多すぎたのをとても反省している今日この頃です。。)

 

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小さな建築

小さな建築の現場が始まりました。

用途は子育て支援センターです。

規模はとても小さい建築ですが、感受性豊かな子供達が過ごすという、役割は偉大な建築です。

 

こういった施設系の設計をする時に必ずぶつかる 課題があります。

それは誰の為に設計するかという事。

基本的に強い要望がなければ、利用者の為に計画をします。(今回は子供達と保護者が利用者と考えています。)

 

しかし、施設管理者が発注者となる為、施設管理者の立場で設計を求められる場合があります。

子供関係の施設では特に安心安全が一番求められます。

死角がないか、角がないか、指挟みするところがないか、段差がないか等。。。

 

子供が楽しいことを中心に考えると、小さな空間であったり、ちょっとした段差であったり、隠れられるスペースだったりという、施設管理者側から考えるとNGな空間を作ってあげたいという気持ちになります。

(自宅でも造作テーブルの下や、子供が登れるくらいの飾り棚は遊んでいない日がないんじゃないかと思います。)

 

しかし、施設管理者側の立場として、安全性は重要です。

今回は子育て支援センターという用途から、あまり厳しくはありませんが、保育園やこども園、幼稚園となると、少人数で多くの子供を見る必要がある為、危険な要素はなるべく排除するという考えが重要になってきます。

設計者の立場としては、こども達がのびのび遊べるように、楽しく過ごせるようにと計画したいところではありますが、そこは協議をしながら計画を進める必要があります。

 

最近は時間があるので、何故子供達がのびのび遊べるような建築にしたいのかを自問自答をしたことがありました。

何となく感じていた部分で、今いる環境が外で遊ぶところが少ないんじゃないかと自分で感じていることに気づきました。

昔は山で遊んだり、よく分からない小屋があったり、様々な遊びが展開できるような環境で育った為、幼稚園の記憶よりも家の庭や山で遊んだ記憶の方が強いです。ど田舎なので。。。

 

そんな環境がどこかでいいなと感じている部分があり、今の環境とギャップが大きい為、子供達が過ごす場が少しでも、様々な遊びが展開できた方が良いのではないかと考えているようです。(自己分析が間違っていなければ。。。)

 

話が長くなってしまいましたが、色々と考える部分はある中でも、変わらない部分はあります。

「かっこいい方がいい」ということ。

どんな方向で計画しても、かっこよくすることはできます。

かっこいいことに価値があると信じて、常に時間ぎれ直前まで検討を続けます。

(施工者には迷惑な話ですが。。。)

 

今回もギリギリまで粘って、将来を支える子供達の為にかっこいい場を提供できるように頑張りたいと思います。

子供達は利用する建築の環境を自分たちで選べないので、責任重大ですが。。。

 

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基礎配筋

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カウンター

以前の記事で紹介した、製作のカウンターが据付けられました。

 

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カウンター



想像以上の仕上がりです。

図面で見ていた時よりも良いものが出来ました。

 

今回は中々一緒に仕事をすることが出来ない家具屋さんとの仕事でした。

仕上がりの精度、仕事の状況など全てが高いレベルで、何よりも良いものを作りたいという思いが伝わってくるような人たちです。

 

恐らく、使う人たちは綺麗なカウンターというだけで、他には何も感じないと思います。

逆に感じないくらい仕上がりの精度が良いと思います。

細かな部分でも、おかしいなと感じる部分は気づきますが、良いものは逆に何も違和感を感じないものだと思います。

この違和感を消してく作業がとてもとてもとても大変です。。

 

「何故こうなっているの?」と感じることがないって恐ろしく手間がかかります。

 

使う場所によって、材料を使い分けていく時に異なる材料がぶつかる時があります。

そんな時に簡単なのは蓋をするように隠してしまうこと。

これは違う材料を組み合わせる為に必要なんだと説明すれば、なるほどと思うかもしれません。

しかし、「何故こうなっているの?」と感じないということは、そんな「隠すものが何も無い」ということ。

隠すものがなくても、「きれいに仕上がってしまう」という事です。

作るだけならまだしも、これから使い続けていっても荒が出ないように作る訳ですから、見えない部分で相当な工夫がされています。

しかも、mm単位の精度を求めて。

 

こんな仕事を見ていると、関われて良かったと思います。

 

これから先、関われて良かったと思える仕事で全部埋め尽くせるように、努力せねば。。。

 

 

 

 

 

今受けている仕事が監理ばかりで、設計したい欲が溢れてしまったので、実際に販売されている土地に想定で住宅の計画をしてみました。

(どんなプランかは、興味がある方がいれば簡単な間取り図程度はアップします。)

 

やっぱ、建築って楽しい!

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妄想建築

 

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桂離宮

過去に行った建築を振り返るシリーズです。

 

今回はずっと行きたくてなかなか行くことが出来なかった建築「桂離宮」です。

京都に旅行に行くことは出来ても、桂離宮に行くことは出来ずに悶々とした日々を過ごし続けていました。

なぜなら、見学の予約が取れないから。。。

京都に行こうと思って、見学できるか確認しても必ず予約は埋まっていました。

 

そんな中、ネットで当日枠があるということを発見しました。

しかし、取ることが出来るか分からない当日枠を当てにして桂離宮を見に行くということは、かなりリスクがあるのではないかという思いから、見に行きたいけど見に行けないという状況に陥り、憧れの存在にまで昇華していました。

 

桂離宮に恋焦がれながら日々を過ごしていたある日、仕事で金曜日に丸亀市で打合せという、土曜日を使えば、帰りに京都に寄ることが出来るチャンスが到来しました!

これは行くしかないと思い、京都のホテルを予約し、打合せの次の日の朝に桂離宮に直行しました。

予約開始時間を目安に行くと、見事当日枠をゲット!

念願の桂離宮を堪能してきました。

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率直な感想は、庭園と建築の調和、スケール感の素晴らしさ、プロポーションの良さ、細かいディテールへのこだわりの素晴らしさ、来てよかったという感じです!

 

建築のスケールがとても小さく、「そこから見る景色」をどれだけ良い景色にするかというこだわりが感じられます。

また、他の字型のプランが絶妙な視線の抜けを生み出し、一日中自然を感じながら過ごしたくなるような建築でした。(建物内には入れませんので、あくまで入ったところを想像した感想です。)

 

細かな部分までデザインが行き届いているところが、また素晴らしい。

建築やってる人は分かってくれるかもしれませんが、写真を見返すとディテールばかりで訳わからんという状態です。

 

昔は外構とか建物の設計とか、細かな部分のデザインとか、そんな考えはなかったんだろうなということが感じ取れます。

 

「いかに心地の良い場を作るか」昔も今もそれは共通の目的です。

しかし、仕事が細分化されるにつれて、その大きな目標を見失い、いい建築、良い庭が分離していき、情報過多の時代になることで、ディテールに囚われて場を作ることを見失ってしまう人も多々いるような気がします。(調べればすぐかっこいいディテールが分かる時代なので、ディテール先行になる人が多い気がします。)

 

桂離宮を見て、建築の奥深さとこれからどのような建築を作る必要があるのか、再度考えさせられました。

きっと、建築は建物と外構、そしてソフト面へと、どんどん範囲が広がっていく必要があります。

広がっていった先には、それぞれのスペシャリストが存在することでしょう。

そんなスペシャリスト達と「共通のコンセプト」を持ち、共通の目的である「心地の良い場」を目指し協働していくことが重要です。

 

そんな素敵な建築を作り続けるように頑張ろうって今回の記事を書きながら、改めて思いました。

 

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portfolio

portforioを作成中です。

会社で言うパンフレットです。

 

完全な個人事業主なので、自分が担当した建築と自宅の写真を一冊にまとめています。

 

製本されていた方が保管しやすいだろうと思い、自分でできる製本方法を調べたところ、和綴と言う製本方法に出会いました。

たまに見る、紐を使った製本ですが、表紙に色紙を使って紐の色をきちんと選定すれば、かっこいい気がする。

そんな甘い考えで、すぐに必要な道具を揃えました。(道具といっても千枚通しと紐、表紙用の画用紙なので、全てダイソーで揃いました。)

 

作り始めると、レイアウトで悩み、写真の選定で悩み、文字の色で悩み。。。

会社のパンフレットってすごく手間の掛けて出来ているものなんだということが分かりました。

こんな大変なものを作り続けるデザイナーってすごい。。。

 

四苦八苦してテストプリントをしたのが、夜中の1時、文字の間違いとレイアウトの間違い気付くと同時に、妻に写真の選定が悪いと文句を言われたのが夜中の1時半。

そこからレイアウト修正、写真再選定を行い綴じる前の状態にたどり着いたのが、夜中の2時半。

和綴に挑戦し、やっとの思いで完成したのが3時半でした。

完成が見え始めた時からは、もう完成形がかっこいいに決まっているという、呪いにかかっていたので、途中で寝るという選択肢はありませんでした。

 

完成した感動を味わいながら、次の日にきちんと確認しようとその日は眠りにつきました。

 

そして頭がクリアな状態で確認したところ、確かにかっこいい。

しかし、表紙の紙質が綺麗すぎて綴じ方と合わない気がする。。。。

 

というわけで、普通の綺麗な製法方法を検索中です。

(和綴だったら、写真も滲んでる感じが合うと思っていたのですが、綺麗な製本にするなら中身の用紙もグレードアップしなければ。。)

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次はもっとかっこいいやつ作ります!

 

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無いことと在ること

何も無い空間は気持ちが良い。

ダイレクトに自然を感じ取ることができるから。

 

何かが在る空間は楽しい。

そこに存在するものを利用して場を作ることができるから。

 

空っぽになる時間と、想像力を掻き立てて何かを生み出す時間。

 

今はネットで全ての距離がゼロになる時代。

いつでも何処でも、プライベートな場になるし、誰かと交流することができる。

直接会う必要もないのでは無いかと感じることは多々あったけど、それが寂しい感じがして、建築で交流の場を作れないかと考え続けてきた。

自分で自分に課した独立するための条件はその考えがずっとブレないことだった。

 

偶然にも独立準備中に、こんな世の中になり、改めて考える部分があった。

オンラインの技術が発展し、これからさらに在宅やオンラインでの交流の発展が加速していくと思う。

それでも、やはり人に会うということは大事なことだと思う。

約束をして、その日を待ち望み、どんな話をするか、何処に行くかを考えながら、人に会いにいく。

その過程は、無意識のうちに楽しいことを想像するという行為を行なっている。

想像を止めないことが、生きていく上で重要じゃ無いかと思っている。

疲れ果てるときはあるけれど、考えて想像し続けることで、新しいことが見えてくる気がするし、すごく楽しい時間だと思っている。

 

昨日の夜、子供が数字の勉強をしていたので、横で見ていたら「パパは新しい家の図面書いて」と言われたので、何となく考え始めた。

子供が数字の勉強が終わったことに気づくことなく書き続けた。

そして、子供に怒られた。

結局、想像することってすごく楽しくて、人に会うことは勝手に想像する時間がついてくる。

これってすごく魅力的だと思うし、そんな時間をどんどん増やせたほうが良いと思っている。

 

玄関先のちょっとした交流する場だったり、誰かを呼びたくなるリビングだったり、絶景スポットと言ってもおかしく無い場があったり、あとは、もちろんボーッとできる場も。

人と人を繋いだり、人と自然を繋いだり、人と想像という空想の場を繋いだり。。

独立してやっていく以上は、必ずそんな建築にしたい思っている。

 

真面目なことを書きましたが、飲んでないと直接話すことが出来ないような恥ずかしワードたっぷりでした。

口下手って、話すより考えることが多いので、こんな事考えてますよっていうのも、こんな場だと発信出来てしまう。

 

寂しいけど、ネットやっぱすごいな。。

 

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写真は心をオフにしたときに撮った写真です。

哀愁漂う歳になったのかな。。。

 

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仕組みをつくること

仕組みをつくることは難しいです。

仕組みをつくることは責任が伴います。

仕組みをつくることは理解することが必要です。

 

何かを行う時に、仕組みをつくらないと、後で必ず手間が掛かります。

(簡単な作業は除きます)

 

仕組みをつくる為には、[結果起こりうる事]を想定する必要があります。

いつもこれが厄介です。

 

経験を積んで、あらかたの事が予測できるようになっても必ず予測できないことが起きます。

関わる人数が増えれば増えるほど、それは起こります。

どんなに理解していても、違う解釈をする人がいた場合は予測できないことが起きます。

自分中心ではダメということですね。

どれだけ人に伝えやすい資料を作るか、どれだけイメージを共有できるかに掛かっています。

一生懸命、模型を作ろうがCGを作ろうが伝わらなければ、せっかく頭を悩ませて作った仕組みも台無しです。

 

そこで、毎回考えてプレゼン方法を検討していきます。

前回上手くいった方法が今回上手くいくかなんて分かりません。

結果、常にバージョンアップを図ります。

結果、業務時間を増えます。

良くない流れの出来上がりです。

 

せっかく独立するので、少しでも改善したいと思って考えたりしていますが、今のところは、今までのやり方+使い手へ建築の仕組みの説明が重要なのかなと思っています。

あとは、意識と知識の共有が必要だと思っています。

 

設計事務所が敷居が高いとか、勝手に作られそうとか色々ありますが、恐らくとっても良いだろうと考える仕組みをつくっています。

ただ、その仕組みの説明と、仕組みに対する知識と意識に相違が生まれ、そんな意見が生まれるのかなと思います。

写真で他人の家を見ても、他人の生活スタイルと自分の生活スタイルは異なるので、変だなと思う部分があって当然だと思います。

 

育った環境が異なれば、必ず違う部分が出てきます。

それはそのまま建築に現れます。

結果、同じ建築は生まれません。

 

しかし、大きな仕組みは異なっても、小さな仕組みは共通のものが多かったりします。

例えば、収納の仕方であったり、家事動線であったり。。

 

大きな仕組みに飲み込まれてしまわないように、いつも気を使って設計しています。

(収納ケースまで想定しているので、最後は病んできます。。)

 

いつまでも、なるべく対等な関係のチームで建築をつくり続ける建築家でありたいといつも思っています。

 

とりあえず、建築の仕組みについて書きましたが、他の部分にも仕組みが登場します。

プロジェクト管理、書類管理、経費などの管理など。。。。

分からないことを学ぶ為に、ネットで検索を続けて知識を蓄えますが、本当に正しいのかが分かりません。

結果、色々なサイトを調べて総合的に判断するしかありません。

結果、準備に費やす時間が増えます。

(あれ、さっきの良くない流れだ。。)

 

まあ、最初は苦労するしかないと考え、ブラックで染み付いた根性で頑張るしかないですね。

身に付けた知識をアップした時に、間違っていた時は教えてください。

 

そんなこんなで、複式簿記の勉強中です。

無知って一番辛い。。。

 

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