ケンチク

牛久大仏に見守られながら一級建築士やってます。

桂離宮

過去に行った建築を振り返るシリーズです。

 

今回はずっと行きたくてなかなか行くことが出来なかった建築「桂離宮」です。

京都に旅行に行くことは出来ても、桂離宮に行くことは出来ずに悶々とした日々を過ごし続けていました。

なぜなら、見学の予約が取れないから。。。

京都に行こうと思って、見学できるか確認しても必ず予約は埋まっていました。

 

そんな中、ネットで当日枠があるということを発見しました。

しかし、取ることが出来るか分からない当日枠を当てにして桂離宮を見に行くということは、かなりリスクがあるのではないかという思いから、見に行きたいけど見に行けないという状況に陥り、憧れの存在にまで昇華していました。

 

桂離宮に恋焦がれながら日々を過ごしていたある日、仕事で金曜日に丸亀市で打合せという、土曜日を使えば、帰りに京都に寄ることが出来るチャンスが到来しました!

これは行くしかないと思い、京都のホテルを予約し、打合せの次の日の朝に桂離宮に直行しました。

予約開始時間を目安に行くと、見事当日枠をゲット!

念願の桂離宮を堪能してきました。

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率直な感想は、庭園と建築の調和、スケール感の素晴らしさ、プロポーションの良さ、細かいディテールへのこだわりの素晴らしさ、来てよかったという感じです!

 

建築のスケールがとても小さく、「そこから見る景色」をどれだけ良い景色にするかというこだわりが感じられます。

また、他の字型のプランが絶妙な視線の抜けを生み出し、一日中自然を感じながら過ごしたくなるような建築でした。(建物内には入れませんので、あくまで入ったところを想像した感想です。)

 

細かな部分までデザインが行き届いているところが、また素晴らしい。

建築やってる人は分かってくれるかもしれませんが、写真を見返すとディテールばかりで訳わからんという状態です。

 

昔は外構とか建物の設計とか、細かな部分のデザインとか、そんな考えはなかったんだろうなということが感じ取れます。

 

「いかに心地の良い場を作るか」昔も今もそれは共通の目的です。

しかし、仕事が細分化されるにつれて、その大きな目標を見失い、いい建築、良い庭が分離していき、情報過多の時代になることで、ディテールに囚われて場を作ることを見失ってしまう人も多々いるような気がします。(調べればすぐかっこいいディテールが分かる時代なので、ディテール先行になる人が多い気がします。)

 

桂離宮を見て、建築の奥深さとこれからどのような建築を作る必要があるのか、再度考えさせられました。

きっと、建築は建物と外構、そしてソフト面へと、どんどん範囲が広がっていく必要があります。

広がっていった先には、それぞれのスペシャリストが存在することでしょう。

そんなスペシャリスト達と「共通のコンセプト」を持ち、共通の目的である「心地の良い場」を目指し協働していくことが重要です。

 

そんな素敵な建築を作り続けるように頑張ろうって今回の記事を書きながら、改めて思いました。

 

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