ケンチク

牛久大仏に見守られながら一級建築士やってます。

小さな建築

小さな建築の現場が始まりました。

用途は子育て支援センターです。

規模はとても小さい建築ですが、感受性豊かな子供達が過ごすという、役割は偉大な建築です。

 

こういった施設系の設計をする時に必ずぶつかる 課題があります。

それは誰の為に設計するかという事。

基本的に強い要望がなければ、利用者の為に計画をします。(今回は子供達と保護者が利用者と考えています。)

 

しかし、施設管理者が発注者となる為、施設管理者の立場で設計を求められる場合があります。

子供関係の施設では特に安心安全が一番求められます。

死角がないか、角がないか、指挟みするところがないか、段差がないか等。。。

 

子供が楽しいことを中心に考えると、小さな空間であったり、ちょっとした段差であったり、隠れられるスペースだったりという、施設管理者側から考えるとNGな空間を作ってあげたいという気持ちになります。

(自宅でも造作テーブルの下や、子供が登れるくらいの飾り棚は遊んでいない日がないんじゃないかと思います。)

 

しかし、施設管理者側の立場として、安全性は重要です。

今回は子育て支援センターという用途から、あまり厳しくはありませんが、保育園やこども園、幼稚園となると、少人数で多くの子供を見る必要がある為、危険な要素はなるべく排除するという考えが重要になってきます。

設計者の立場としては、こども達がのびのび遊べるように、楽しく過ごせるようにと計画したいところではありますが、そこは協議をしながら計画を進める必要があります。

 

最近は時間があるので、何故子供達がのびのび遊べるような建築にしたいのかを自問自答をしたことがありました。

何となく感じていた部分で、今いる環境が外で遊ぶところが少ないんじゃないかと自分で感じていることに気づきました。

昔は山で遊んだり、よく分からない小屋があったり、様々な遊びが展開できるような環境で育った為、幼稚園の記憶よりも家の庭や山で遊んだ記憶の方が強いです。ど田舎なので。。。

 

そんな環境がどこかでいいなと感じている部分があり、今の環境とギャップが大きい為、子供達が過ごす場が少しでも、様々な遊びが展開できた方が良いのではないかと考えているようです。(自己分析が間違っていなければ。。。)

 

話が長くなってしまいましたが、色々と考える部分はある中でも、変わらない部分はあります。

「かっこいい方がいい」ということ。

どんな方向で計画しても、かっこよくすることはできます。

かっこいいことに価値があると信じて、常に時間ぎれ直前まで検討を続けます。

(施工者には迷惑な話ですが。。。)

 

今回もギリギリまで粘って、将来を支える子供達の為にかっこいい場を提供できるように頑張りたいと思います。

子供達は利用する建築の環境を自分たちで選べないので、責任重大ですが。。。

 

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基礎配筋

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