めくるめく装飾の世界 2
先ず初めに、タイルの魅力が存分に伝わらなかったら、表現力の稚拙さによるものです。
実際に見てしまうと、誰もがタイル信者になってしまいそうなくらい魅力的でした。
タイル工場見学会2日目です。
先ず訪れたのは、乾式タイルの工場です。
ここで、簡単に湿式と乾式の違いを説明すると、湿式は粘土のような材料を使用して成形し、乾式はパウダー状の材料を金型に入れてプレスすることで成形します。
製造方法による違いとして、湿式に比べ乾式の方が寸法精度が高いことが特徴です。
1日目に見たタイルとの製造工程の違い、工場の違いはとても面白いものがあり、乾式タイル工場は「工場らしい」という表現が合うところでした。
金型にパウダーが流れ込み、プレスされて次工程に送られていく。
機械化された作業は皆さんが想像する通りの工場です。
工場の中には、タイルの表面に塗る、色調の要となる釉薬の調合を調整している事務室があり、そこでは新しいタイルの他にも、改修工事現場からの要望で、既存に合わせたタイルの製作も行っていました。
こちらの工場でも、どんな色味のものでも、どんな特注品でも対応しますと言っており、技術者の心意気を感じました。
形状から色味まで特注で頼んだら、きっと楽しいんだろうなとワクワクが止まらないまま、最後のタイル工場、LIXILの工場に行きました。
ここで、特注タイルのサンプル、開発中のタイルのサンプルを見せていただく事によって、完全に特注タイルを使いたいという暗示にかかってしまいました。
釉薬の美しさは、本当に美しい装飾という表現が似合います。
こんなタイルを使えたら、なんて素晴らしいんだ!と心が掴まれました。
まんまと策にハマった私は今でもとっても、「特注タイルを使いたい!」と思っています。
しかし、特注タイルを使用する為には300m2という壁があるようです。
300m2以上でなければ、割高になってしまうという現実を突きつけられ、そんなの使える機会は滅多にないじゃん。。。と思いながらがっかりしていると、担当の営業マンはどんなに小さな案件でも見本焼き作るので、相談してくださいと優しいお言葉をかけてくれました。
(安くなるわけではないので、使えないと思いますが。。。)
完全にタイルに魅了されたまま、最後にタイルミュージアムに連れて行かれました。
ここでは、完全にタイルに心を奪われました。
先ずはこちら
これは実は昔のタイルだそうです。
今でもこんなタイルあったら、使ってみたいと思うくらい、いい雰囲気を醸し出しています。
次にこちら
こちらは、昔のドーム天井の部屋を再現したようです。
全てがタイルでできており、息を飲むような美しさです。
タイルミュージアムで各時代のタイルを楽しんだ後は、窯のある広場という、まさに窯を見に行きました。
昔の建築は何故こんなに素敵なんでしょうか?
梁のサイズは大きいのに高さとのバランスが良い為、軽快に見えます。
そして敷地内に版築の建築物があります。
実物を見るのは初めてで、タイルで興奮していたところに版築を発見し、テンションが上がりすぎて、よく分からない写真しか残っていませんでした。
何だか、タイルから脱線し始めたので、最後にタイルミュージアムの宣伝として、親子で体験できる魅力的なものを紹介します。
どろだんごです。
見事に想像を超えてきました。
私の知っているどろだんごはこんな装飾にならないぞと思いながら説明を聞くと粘土で作るようです。
粘土も磨くととても美しく光るみたいです。
ダイヤなんかに負けていませんね!(金額以外は。。)
説明を聞いて、作ってみたい衝動に駆られたのですが、帰る時間と諭され、結局体験はできませんでした。
しかし、このどろだんごは大会まで開催されているようで、機会があればチャレンジしてみたいと思います。
こんな感じで、1泊2日の見学が終わりました。
普段使っている建材も、実際の製作現場を見にいくと印象がガラッと変わります。
カタログから選ぶだけではなく、いろいろな事にチャレンジをしたくなるし、チャレンジする事で、技術が保管されていくということが分かります。
そして、チャレンジすることを楽しみにしている、職人さんがとってもたくさんいるということが、何よりも刺激になりました。
おかげで、最近は職人さんと話すときは、難しいことも突き通します。
何故なら、本当はできる技術を持っているし、難しい事にチャレンジしたいという気持ちを持っているので。
だからと言って、強引にお願いはしないように、バランスをとることが重要だと思っています。
この見学旅行は、本当にたくさんの事を学ぶことができた、素晴らしい体験でした。
恐らく、担当の方は見ていないとは思いますが、この場を借りて改めてお礼を伝えたいと思います。
貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
※ちなみに、この帰りに以前ご紹介した「tonarino」を見に行っています。
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