ケンチク

牛久大仏に見守られながら一級建築士やってます。

めくるめく装飾の世界 1

書いている記事の内容が、ただの自己主張になっている事に気づき始めた今日この頃。

どんな事を書こうか本気で悩んだ1日。

役に立つ情報か、勢いで書く思いを込めた内容か。。。

こんなことを初めて考え、今回は設計をやっているからこそ体験できた事を書いてみようと思います。

 

遡ること数ヶ月。

コロナが出る前くらいに、たまたまメーカーの担当者からタイル工場見学のお誘いが来ました。

話を聞くと県内では数人しか行くことが出来ない見学会でした。

 

タイルというと、カタログをひらけばたくさんの種類のタイルが掲載されており、こだわりを持っていても、LIXILじゃなくて、名古屋モザイクを選んだり、マニアックな人は国代耐火や織部製陶を選んだりといった具合かなと思います。

ちなみに私はそんな感じでした。

国代耐火に見たことのないタイルを持ってきてもらって、現場で更に詰めていくということで満足していたし、それ以上のことは考えていませんでした。

 

しかし、LIXILの担当者から、タイルの見本焼きをつくり工場検査を行い現場に納品する。

そんなことが結構な頻度で行われているようなことを聞き、工場見学のお誘いを受けたので、是非行きたい!!とお願いして参加させていただきました。

 

これまで、タイルの製作工程を見たこともなかった私は、工場見学を純粋に楽しもうと考えていました。(外壁に大量のタイルを使った時も、仕事に忙殺され工場検査なんて行けませんでした。。。)

 

最初に見たのは湿式タイルを製作している工場です。

ここで、還元焼成、酸化焼成という手法を習いました。

説明するととても長くなるので特徴だけ書くと、還元焼成は色むらの激しくその場限りの色合いのタイルができます。

酸化焼成は色むらがない為、求めている色のタイルができます。

これさえ覚えておけば、見本焼きを頼む時はバッチリです。

 

そして、恐らく使いたくなるのは還元焼成のタイルだと思います。

色むらのあるクラフト感、そして、その時のタイル職人の感覚と情熱が表れてくるようなタイルが出来上がってきます。

あぁ、使ってみたい。。。

何より説明を聞いているだけで、タイル職人の仕事に対するプライドが伝わってくる。。

 

カタログにのるタイルでも、素晴らしいタイルがありますが、その時の建築に合うタイルを焼くって、とても素敵ですよね。

そして、無理難題を実に楽しそうに、締め切り間際までタイルの製作に取り組む職人の姿を見ると、この技術は後世まで残す必要があるのではないかと思えてきます。

(残ってくれれば、意匠設計に携わる人たちは、わがままを言い続けることができますし。)

 

カタログからは見えてこない、こんな世界。

こだわりを持った職人魂を伝えねば!と心に誓い1日目が終了しました。

※実は1泊2日の見学旅行だったので、次回に続きます。

 

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工場事務所棟

工場事務所棟のタイルがカッコ良すぎます!!

 

(結局思ったことを書いただけでした。。。)

 

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